ニュースリリース

~「臨床+α」交流会のご報告~

このたび1年半ぶりに「臨床+α」交流会を開催いたしました。震災後であり中止も検討いたしましたが、震災からの日本の復活をテーマにして開催する運びとなりました。

交流会には、これまで「+αな人」としてウェブサイトに登場してくださった方や、+αなキャリアを歩むまたは興味を持つ医療関係者、医療に関わる異業種の方などを中心にご参加いただきました。会場一杯の約50名の方にお集まりいただき、当初の予想を上回る盛り上がりでした。

震災からの復興をテーマにしたミニセッションでは、裴英洙さん、新福洋子さん、岩瀬大輔さんの3名の方々に、スピーチをしていただきました。

裴さんと新福さんはそれぞれ医師、看護師として被災地支援に行かれ、その体験談に加え、現場の声、被災地で何が必要か、長期的に医療従事者がどう協力していけるかなどについてお話ししていただきました。

裴さんと新福さんからは当日報告スライドをご提供いただいたので、以下にご紹介いたします。

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被災地支援体験談 No.1

「JMAT 活動報告」

裴 英洙氏 (医師)
派遣先 : 宮城県石巻市 (3 / 23 ~ 26)
裴さんの体験談はこちら

裴 英洙

神奈川県災害医療チーム(JMAT)
ヘルスケアクリニック厚木

3月11日に東日本大震災が発生した。経営支援に入っている医療機関(神奈川県)にJMAT(日本医師会災害医療チーム)の派遣依頼が来た。弊社はハンズオン型の経営支援(私が医師として臨床現場に立ちつつ、経営戦略策定等を行うスタイル)として仕事しているが、一医療人として何か出来ないか、との思いから、クライアント先の職員の方々とチームを結成し、JMATに参加、宮城県石巻市に向かった。想像を絶する被災地の惨状はメディアで取り上げられている通りだが、そこで生活している被災者の方々のご苦労(特に医療面)は、まだまだ十分にメディアで取り上げられていない面もある。医療支援活動を通じて、それを肌で感じた。後に続くチームに何らかの一助になればと思い、被災地での医療支援活動の詳細をダイヤモンドオンラインにて報告している。ご興味ある方はご参照頂きたい。

http://diamond.jp/category/s-jmat

当日のスライド


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新福 洋子氏 (看護師)

被災地支援体験談 No.2

「震災支援の体験談と復興において看護師ができること」

新福 洋子氏 (看護師)
派遣先 : 宮城県亘理郡亘理町 (3 / 31 ~ 4 / 6)
新福さんの体験談はこちら

震災支援の体験談と復興において看護師ができること

新福 洋子
聖路加看護大学 看護実践開発研究センター 博士研究員
まんまる助産院 助産師

震災後3週間目の3月31日から4月6日の一週間、日本助産師会より宮城県亘理郡亘理町の避難所に派遣されました。亘理町からの要請は避難所の保健スタッフということで、看護師としての役割になることは派遣前に告げられていました。これまで助産師として臨床を行ってきたので、看護師としての派遣に不安もありましたが、こういった非常時にそんなことは言っていられないと思い、災害看護の資料を読んで心の準備をし、自分にできることを精一杯行うだけだ、と腹をくくって避難所に向かいました。

詳しい活動内容については、医学書院『助産雑誌』6月号に掲載が予定されています。急性期的なニーズが減ってきていた3週間目には、患者さんに寄り添う看護師の役割が大切だったと思います。避難所の住民さんに対して、自然に傾聴・共感し、医療知識に基づいて健康状態をアセスメントし、その方の考え方を尊重しつつ必要な医療やケアを調整するということ。地域の助産院で働く私の活動とも非常に似ていました。

私は東京に帰ってからも、日本助産師会の事業のひとつである被災地の産後の母子の受け入れに携わることで、災害支援活動を続けています。また、今回のように臨床+αを通して私の活動をお伝えすることで、災害支援を考えている医療者に情報提供ができればと思っています。仮設住宅に移動できるまでにはまだまだ時間がかかり、避難所での生活や復興のための経済活動に対し、医療に留まらない多様なニーズが生じると思います。看護職もニーズに応じ柔軟に支援活動を考え、他職種との連携によってそれが広げられるといいと思います。こういうとき、+αメンバーのような医療活動の経験を持ち、他の専門のある方々のネットワークに入らせていただいていることは大変心強く、こういう人のつながりからより幅広く、効果的な支援活動ができるのではないかと思っています。

当日のスライド


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ライフネット生命保険株式会社岩瀬

ライフネット生命保険株式会社 代表取締役副社長の岩瀬さんには、医療だけでなく経済・財政という幅広い視点から、復興についてお話しいただきました。当日のお話にあった事業仕分け、ダボス会議での内容については、岩瀬さんのブログにも掲載されていますので、宜しければ是非こちらをご覧ください。岩瀬さんのお話では、特に若い世代が日本復活に向けてどのように貢献できるかという内容が印象的でした。

いずれのスピーチにも会場からコメントや質問が相次ぎ、時間が限られていたことが非常に残念でした。

また、今回の交流会では、「+αな人」として登場していただいた方々のさらなる成長の姿を目の当たりにすることができました。さらには、新たに+αなキャリアを歩み始めた方々、+αなキャリアに関心を持ち始めたより若い世代の方々にもお集まりいただき、「臨床+α」のコンセプトが、世代を超えて、さらに成長・活性化していることを感じることができました。

「臨床+α」では、この様な交流会を引き続き行っていきます。これからの医療を支えていく人々、医療に関心をもつ人々が、お互いに情報交換を行い、刺激し合う場を提供し、+αな人を今後も支援していければと願います。

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