+αな人

玉田 寛 氏

より有効な治療法を求めてプライマリケアから基礎研究、そして製薬業界へ転身

氏名 玉田 寛 氏 Hiroshi Tamada,MD,PhD
年齢 39歳(2008年4月現在)
現在の職業 メディカルディレクター
現在の勤務先 ファイザー株式会社メディカル部門
出身大学・学部 自治医科大学医学部医学科 1993年(平成5年)卒
臨床専門分野 プライマリケア・一般内科
+αの道に入る前の臨床経験年数 10年
+αの道に入った後の臨床経験年数 0年
+αの道に入った際の年齢 34歳(基礎研究に従事するために渡米)、37歳:製薬業界に転職
+αの道の種類 基礎研究→製薬業界
玉田 寛

何故+αを選んだのか

1)臨床経験から:より有効な治療法の開発の必要性を痛感。
2)基礎医学研究経験から:膨大な基礎研究結果も、実際の臨床応用が可能となるケースは稀であり、効率は決して良くない。
1)+2)→より疾患の治療にフォーカスした方向に方向転換したい!=製薬業界

どのようにして+αの道に入ったのか

学生時代から基礎医学(生化学・分子生物学)が好きで、母校の生化学教室で研究の初歩を教えて頂いていました。卒後も臨床を続けながら、細々と基礎研究を続けていましたが、臨床現場で不幸にして治らない患者さんたちが多く、いずれは基礎研究を深めて新たな疾患の治療に貢献したいと考えていました。僻地医療の義務が終わるころに学位を取得でき、幸運にも米国での基礎研究のチャンスを得ました。米国では幹細胞研究に従事し、充実した3年間でしたが、基礎研究の臨床応用にはかなり長いタイムスパンが必要であることに気づき、より直接的に治療に役立ち、自分のバックグラウンドを活かせる分野を探し始めました。そんな中、人材会社からの紹介で製薬業界を紹介され、米国内で数回の面接を受けたのち、日本への帰国と転職を決意しました。

+αの道はどうであったか、何を学んだか

「何を学んだか」
・戦略的な思考ならびにマーケティングで汎用されるフレームワークを学んだことで、世の中の見方が変わった!いわゆるDance floor to balconyを実感。
・常にプライオリティー、効率、アウトカムを意識した行動を取れるようになった。
・多国籍企業のビジネスの仕組み、企業文化を学んだ。
・自分の中長期的なキャリアプランを戦略的に考えるようになった。
「実際の業務内容」
・日本市場における市販後のファイザー循環器製品の製品価値を最大化するための、マーケティング戦略の立案に必要な医学的なインプットを行う。
・市販後のファイザー循環器製品の価値を高めるための基礎・臨床データの構築を推進する。
・安全性管理部門と協働して製品関連有害事象の適切な情報収集・評価・対応に努める。
・マーケティング製品チームと協働して医学的観点から適切なプロモーション資材を準備。
・製品関連事象について臨床開発部門・NY本社の製品担当者への窓口となる。

卒後の道・現職に+αはどう生きているか

「過去の臨床経験・基礎医学研究が現在の仕事にどう生かされているか」
・効率的な情報収集:自分が詳しくない分野であっても、比較的限られた時間で、必要な知識を効率よく身につけるスキルを身につけていた
・戦略的な思考の雛形:様々な現象を要素に分解・分析・統合するトレーニングが、自分でも気付かないうちに行われており、戦略的な思考を訓練する下地がそれなりに整っていた。
・多くの利害関係者と協働して勤務するという、臨床医として身に着けた仕事のやり方が、企業でも適用可能であった。
・米国で過ごした3年間で欧米人の物の考え方が理解できるようになった。
・様々な変化にさらされてもいちいち驚かなくなった。

今後どのようにキャリアを形成していくか

医師としての専門性を伸ばしつつ、ビジネスの経験を深めたいと考えています。具体的には、次のようなことです。
1)ヒトあるいは組織のマネジメントに関わりたい
2)臨床研究・製薬医学に関する知識・経験を充実させたい
3)よりグローバルな活動に関わりたい
「どのようなタイプの医療従事者が、製薬業界で求められているか?」
いい変えれば、顧客(会社・医師/研究者・患者)がなにを求めているということ。
私は、さまざまな顧客ニーズを以下のように考えています。
会社:すぐれた医薬品を研究者・医師・患者へ提供することによって、結果的に企業価値を最大化する
研究者/医師:医学の発展+患者利益の最大化
患者:健康を保つことによって自分らしい人生を生きる
これらを満たすには、個人的には以下の資質が重要と考えます(私も早く(4)~(9)を身に着けたいです)。
(1) 相当の臨床経験(~10年くらいでしょうか)
(2) できれば基礎研究経験(薬は基礎研究から生まれてくるので)
(3) できれば留学経験(製薬業界はボーダレスになりつつあります)
(4) 優れた人間関係構築能力
(5) 戦略的思考能力
(6) プレゼンテーション能力
(7) リスクを取れるマインドセット
(8) 素直な心(ビジネスを一から学ぶ必要があるので)
(9) 高い倫理観(常に「患者さん」のベネフィットを第一に)

 

 

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