+αな人

浅川 真希乃 氏

国際NGOをコーディネートしたい~日本とドイツの看護・MPHでの学びから~

氏名 Makino Asakawa 浅川 真希乃
R.N. P.H.N. (M.P.H. 2014年修了予定)
年齢 30歳
現在の職業 大学院生
現在の勤務先 ドイツ国際平和村(非常勤)
出身大学・学部 慶応義塾大学看護医療学部2008年卒業デュッセルドルフ大学公衆衛生学修士課程在学中
臨床専門分野 看護学
+αの道に入る前の臨床経験年数 3年
+αの道に入った後の臨床経験年数 3年
+αの道に入った際の年齢 27歳
+αの道の種類 国際保健、国際協力

浅川真希乃

何故+αを選んだのか

看護分野からの国際協力に興味があり、看護師の道を選びました。学部生時代にドイツに1年間留学する機会があり、その際に現在の職場である、ドイツ国際平和村という施設の活動を知りました。

この施設は、戦地や貧困地域といった発展途上国の子供たちをドイツで治療する援助をしています。私は1年間看護師としてこの施設で働きましたが、その中で、以下2点の大学院進学への動機を得ました。1点目は、施設の活動では緊急支援が必要な怪我や病気を持った子供に支援の対象が限られてしまうとわかったことです。2点目は、平和村創始者の「自分たちの施設が必要なくなることが目標」という考えに共感し、それに対して力添えをしたいという気持ちを強く持ったことです。そのため、子供たちの出身である発展途上国に必要な医療リソースを提供し普及させるための勉強をしたいと思い、大学院進学を決めました。

ドイツはアメリカ、フランスなどと比べると国際援助の分野では発展途上です。しかし、ドイツの医療システムは日本の雛形となったことや、ドイツ経済はEU経済の基盤という背景があります。そのため、ドイツで医療経済学を基本から学ぶため、留学先にデュッセルドルフ大学大学院を選択しました。

どのようにして+α道に入ったのか

デュッセルドルフ大学は学部生時代に交換留学をしていた大学であったため、公衆衛生学修士課程のコースはその当時から知っていました。この大学では働きながら学ぶことのできる短期集中型のセミナーを開講しているため、現在の仕事を続けながら勉強できるこの課程への進学を決めました。大学院入学のためには一定の語学証明と志望動機書の提出が必要になります。そのため働きながらこれらの準備を進め、およそ半年間の進学準備の後に進学しました。

プラスαの道はどうであったか、何を学んだか

私の通っているコースには医師をはじめ、社会学、地理学、福祉、医療政策など様々な分野から学生が進学してきています。そのため、医療者以外の視点から医療制度、医療社会学など見ることができ、非常に興味深いです。また医療者はどうしても価値観が似てしまってくるということにも改めて気づかされました。これまでほとんど触れてこなかった経済学、社会学は基本分野から学ぶ必要があり、とても苦労していますが、医療を社会の中の大きな枠組みとして捉える視点が養われてとても興味深く思います。

海外で学業と仕事を両立させることは容易ではありませんが、大学院で机上で学んだことを職場ですぐに実践に結びつけることができるので、より学びを深めることができていると感じます。

現職に+αはどう生きているか、または現職が+αそのものの場合は、臨床経験が現在どう生きているか

日本では大学病院で勤務していたため、臨床が全てでした。しかしMPHを学び始めてから、医療はそれだけで成り立っているのではなく、政治、社会、経済多くの外的要因を受けて相互に作用していることを学びました。

また、臨床で働いている際はコストパフォーマンスなどはほとんど考えず仕事をしていたように思いますが、医療システムを構築する上で、コストは最重要の位置づけを占めます。どんなに素晴らしいシステムでも費用が高すぎるものは持続性がありません。大学院の授業ではコストパフォーマンスと医療倫理のジレンマについて様々な分野出身の学生と討論し、医療者としてはコストがかかっても最善の医療を提供すべきという当たり前の考えが、他の分野の学生にとっては当たり前ではないという現実に気づくことができました。

現在の職場は発展途上国の子供の医療支援を行うと同時に医療インフラの整備の支援を行っています。カンボジア、スリランカなどの国々に基礎健康診療所を建設し、現地での疾病予防や基礎健康診断を可能にする活動です。こうした援助では最新の医療機器などは必要ありません。現地の人々がアクセスしやすい立地、すべての人々に基礎的な医療を提供するということが最重要課題となります。現在学んでいることをさらに発展させ、今後、そうした援助の中でさらに活かせていけたらと考えています。

今後どのようにキャリアを形成していくか(今後の夢、可能性)

ドイツ国際平和村での活動を通して、国際支援活動を行っているNGO間の連携の必要性を強く感じました。特に情報の共有は非常に重要な分野だと考えています。

また、現在多くの人道支援団体が国際協力に関わっている中で、似たような活動をしている団体が多く、またそうした団体の多くは寄付金により成り立っているため、寄付金の分散が問題となっています。こうした支援団体がお互いに連携し、情報を共有することで、より効果的に支援を提供することができるのではないかと考えています。
MPHの資格取得後はNGO間の連携強化、コーディネーションの分野で活動をしていきたいと考えています。

ご自身が紹介されたマスコミ媒体など

カタログハウスホームページ
http://www.cataloghouse.co.jp/2012spring/yomimono/heiwamura/
ドイツ国際平和村ホームページ(ドイツ語)
https://www.friedensdorf.de/Praktikum-Erfahrungsberichte.html?news=1765#contentAnchor1765

転職情報

業種:国際援助NGO
転職先の場所:ドイツ連邦共和国オーバーハウゼン市
在職時期:2011年より
ご自身の仕事内容:治療援助
転職前の留学有無:交換留学(ドイツ)
転職先にいる元医療従事者の人数:5人
募集タイミング:ポストに空きが出た際
就職に必要な条件:ドイツ語(ドイツ人以外の場合)
転職準備に要した期間:半年間

転職先業界へ入るためのアドバイス

様々な国のスタッフとコミュニケーションをとりながら仕事をしていく必要があるので仕事場で決められた言語、(大体英語、フランス語が多いです)は最低日常会話、できたら簡単な医療処置の説明ができる程度の語学力があるといいと思います。

転職先業界の利点

現在、世界で起こっていること、戦争や貧困などについて日本では中々知ることのできない現状を知ることができ、勉強になります。

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