+αな人

八竹 健司 氏

医療現場の発想と他業界の知恵で新しい仕組みを

氏名 八竹 健司 氏 Kenji Yachiku, MD, MHA
年齢 36歳(2009年8月現在)
現在の職業 コンサルタント
現在の勤務先 CDIメディカル
出身大学・学部 愛媛大学医学部 1998年卒
臨床専門分野 循環器内科
+αの道に入る前の臨床経験年数 7年
+αの道に入った際の年齢 32歳
+αの道の種類 経営
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何故+αを選んだのか

医学部入学前から「将来新しい仕組みを医療の世界で作りたい。」という思いがありました。そして、その仕組みのヒントが医療の他の世界にあるのではないかと考えていました。そのため、学生時代から製造業など多くの他業界に関する書籍などを読んでいました。卒後、臨床医になったのは、医療の現場をよく知りたいと思ったからです。新しい仕組みは現場からの発想で作りたいという気持ちを強く持っていました。もっとも、臨床が面白かったために、その後経営の道に方向転換するのが遅くなってしまいましたが。

現在は、株式会社コーポレートディレクションという戦略系コンサルティングファームの医療部門子会社であるCDIメディカルで、病院・企業のコンサルティングに従事しています。コンサルティングはあらゆる業界のコンサルティングノウハウを蓄積している親会社と協業で行っているので、医療の世界に他業界の知見を活かすという私の思いが実現できています。

 

どのようにして+αの道に入ったのか

ある飲み会の席で、成人病センターで所属していた循環動態科の上司と病院経営の話になりました。そのときに上司は、私が将来病院の経営に関わる仕事を知りたいということを知り、ある病院グループの理事長を紹介してくれました。その理事長にアメリカで病院経営を学ぶことを勧められ、留学の道を選びました。帰国後、臨床には戻らず、就職活動を行いコンサルティングの道に進みました。アメリカから帰国したときに、いくつかの医療法人やコンサルティングファームを面接して回りました。その中でコンサルティングファームを選んだのは、もし病院で1スタッフになってしまうと日々の運営業務に埋没されてしまうような印象を受けたからです。中からではなく、外から直接経営者と対話をして変革を起こすほうが今は効果的だろうと考えたのです。

 

+αの道はどうであったか、何を学んだか

私はシアトルにあるワシントン大学でMHA(Master of Healthcare Administration:医療経営管理学修士)という学位を取得しました。MHAプログラムは大変多くの科目を学ぶところで、MBAのようなビジネスアプリケーションから、公衆衛生や医学論文をどのようにマネジメントに活かすかといった内容、今アメリカの医療界でどんなことが起こっているかということまで網羅されていました。さらに実際の病院でも研修する機会があり、病院スタッフとともにプロジェクトをいくつか体験できました。例えばバージニア・メイソン・メディカルセンターという病院ではトヨタ生産方式をもちいて癌患者の診療プロセスを改善し、患者がより安全に、よりスムーズに治療を受けられるようにしました。また、ワシントン大学の附属病院では、サプライマネジメントの工程改善を行い、コストカットや欠品減少を達成しました。アメリカの病院が最高とはとても言えないのですが、マネジメントを教える大学院や学会、イニシアチブといわれる団体、企業などとの知識的交流や人的交流が盛んであり、日本との対比として多くのことを学びました。

 

現職に+αはどう生きているか、または現職が+αそのものの場合は、臨床経験が現在どう生きているか

私にとって、医療が変わるとは赤字の病院が黒字になることではありません。もちろん継続的な医療のためにはそれも大事なことですが、もっと大事なことは、診療のプロセスがより安全になったり、医師をはじめとする診療スタッフが活き活きとやりがいと夢をもって働けたりすることだと思っています。診療プロセスがわかっていること、医師や患者さんの考え方や気持ちが理解できるということは、これらのことを実現するためにとても重要なことです。職場では周囲からもこのようなことを期待されています。

 

今後どのようにキャリアを形成していくか

長期的なキャリアは様々な可能性があると思います。このままコンサルティングを続けるかも知れませんし、どこかの病院の経営に加わるかも知れません。帰国時にポジションを選択したように、常に状況によって変わっていくと思います。中期的には、コンサルティングが病院を変える可能性について追求したいと思っています。コンサルティングファームに就職して以来、実際に病院の経営状況や組織、診療体制が良くなっていく姿を日々目の当たりにしてきました。徹底した分析を駆使して病院の問題を見つけ出し解決するという手法は、確かに効果的であると実感しています。それゆえにコンサルタントとして成長したいと思っています。

 

ご自身が紹介されたマスコミ媒体など

大阪朝日放送 ニュースゆう 病院再生めざす「新発想」

 

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