+αな人

下田 有佳 氏

母子の心と身体に健康を〜マタニティヨガインストラクターとしての関わりを通して〜

氏名 下田 有佳,Yuka Shimoda, MW,R.N.,P.H.N., C.S.W.
年齢 30歳
現在の職業 助産師
現在の勤務先 総合母子保健センター 愛育病院
出身大学・学部 上智大学 文学部社会福祉学科 2005年卒
慶應義塾大学 看護医療学部 2008年卒
臨床専門分野 看護学・助産学
+αの道に入る前の臨床経験年数 4年
+αの道に入った後の臨床経験年数 2年
+αの道に入った際の年齢 28歳
+αの道の種類 マタニティヨガ

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何故+αを選んだのか

社会福祉学部在籍中、児童福祉学を専攻していた経験から、生まれつき障がいを持つ子どもでも“生まれてきて良かった”と思えるような人生を送れるような支援をしたいと考え、大学卒業後に看護医療学部に学士編入しました。

看護を学ぶうちに、子どもが“生まれてきて良かった”と思えるには、まず母親である女性自身が“この子を生んで良かった”と思える妊娠・出産・育児を経なければならないのではないかと考えるようになりました。そこで私は、助産師として、女性の妊娠・出産・育児というライフイベントに関わりたいと思い、助産課程を選択しました。

卒業後は、ローリスクからハイリスクまで多くの妊産婦さんと関わることで多様な経験を積みたいと考え、総合周産期センターである愛育病院を就職先に選びました。

多くの方々の妊娠・出産に携わらせていただく中で、妊娠中あるいは妊娠前からの女性の心身の健康状態や生活が、その後の分娩・育児に影響を与えることを実感しました。助産師として、保健指導の一助となる知識や技術を習得したいと考えた時、運動が苦手な女性でも始め易く、日常生活の中に気軽に取り入れることができるマタニティヨガを選びました。

どのようにして+α道に入ったのか

偶然、院内の告知で、厚生労働省「成長分野等人材育成支援事業」奨励金支給対象の講習会の中にマタニティヨガインストラクターの資格を取得できるものがあると知りました。助産師としての知識や技術、活動の幅を広げたいと考えていた私は、その制度を利用して受講することにしました。

マタニティヨガインストラクターの資格取得後は、資格を持つ助産師数名で、クラスの開催に向けて活動しました。クラスの運営方法やインストラクターとしての心構えを再確認するために、院内スタッフを対象としてプレクラスを開催した後、クラスの試行を経て、現在では週1回の開催が定着するに至りました。

プラスαの道はどうであったか(あるか),何を学んだか(学んでいるか)

当院では、助産師がクラスを開催する以前から、外部のインストラクターがクラスを毎日行っています。そのため、参加してくださる妊婦さんたちに本当に満足してもらえるクラスにできるのだろうか、経験豊富なインストラクターの方がいいのではないだろうか等、始めのうちはインストラクター経験がない自分がクラスを運営するということに不安がありました。しかし、妊婦さん同士の情報交換などにより、助産師の担当するヨガクラスに参加したいという妊婦さんが増え、当初は1,2名だったクラスが、多い時ではスタジオが狭く感じるほどの参加者数になりました。

ヨガは、アーサナ(ポーズ)をとるというイメージが強く、どうしてもアーサナをとることに気を取られがちですが、実はそれよりも呼吸をコントロールすること、リラックスして行うことが大切だと言われています。分娩も同じように、呼吸法などで呼吸を整えること、力を抜き、心身ともにリラックスして過ごすことが、スムーズなお産につながります。つまり、自分自身で心身のコントロールを行えることが理想なのです。

ヨガをすることで、妊娠期にリラックスする時間を設けながら心身のコントロールをする訓練を行い、分娩に生かせるということを学びました。

現職に+αはどう生きているか、または現職が+αそのものの場合は、臨床経験が現在どう生きているか

妊婦さんが助産師と関わる機会は、通常であれば定期の妊婦健診がほとんどです。約40週間ある妊娠中の妊婦健診の頻度を考えると、妊婦さんと助産師の関わりは限られた機会であり、わずかな時間であると言えます。しかし、マタニティヨガを行っていると、レッスン前後の雑談から、妊婦が日頃気になっているにもかかわらず妊婦健診という改まった場所では聞きにくいような疑問に答えることがよくあります。また、外来や病棟ではない場所で、インストラクターとして関わることで、妊婦さんから「助産師さん」ではなく、「ヨガの先生」と声を掛けられたりするようにもなりました。

妊婦健診以外に助産師と接する機会があるということは、妊婦さんにとって気軽な健康相談の場になり得ると同時に、助産師をより身近に感じるきっかけにもなっていると感じます。このことは、助産師としても妊婦を身近に感じられるようになり、心身の状態を把握できる機会が増えると同時に妊婦への支援の機会も増えるということにつながっていると考えます。

現在、私は病棟勤務なので、助産師外来を担当する日を除いては、ローリスクの妊婦さんに対して保健指導をする機会は多くありません。そのため、レッスン前のメディカルチェックやレッスン中の関わりを通して、妊婦さんたちがどのような悩みや心配事を抱えながら生活をしているのか、どのような保健指導が必要なのか、あるいは妊娠経過そのものや妊婦さんへの関わり方について考え、学ぶ機会になっています。

今後どのようにキャリアを形成していくか

日々、目の前の患者さんや自分自身に課せられた役割を果たすことで精一杯で、助産師として今後のキャリア形成をどのようにしていくかは、現在模索中です。

どのような形であっても、一つの視点にこだわらず、広い視野をもって女性や子ども、また、周りを取り巻く環境に対してより良い支援ができるよう自己研鑽し続けたいと思います。

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